どうやって利益を出しているの?気になるクレジットカード会社の収益の仕組みや疑問

クレジットカードで一括払いをすると、こちらはお店に支払う金額をカード会社に支払うだけで済みます。
しかも、年会費無料でポイントまでつけてくれるという太っ腹です。
なのに、東京にあるカード会社の本社を通るとビックリするような超高層ビルに入っているケースも多く、かなり売り上げを出していることが分かりますし、実際何百億円も売り上げているケースも珍しくありません。
そこで気になるのが、こちらには太っ腹にサービスしてくれるのに、リボ払いや分割払いの手数料だけでここまで儲かるのかということです。
そこで今回は、クレジットカード会社がどのようにして利益を出しているのかについて解説します。

クレジットカード会社は複数の場所からお金を集めている

クレジットカード会社は、主に次の2か所から収益を上げています。

  • クレジットカード会員
  • 加盟店

まず、クレジットカード会社はクレジットカードの会員から、3つの収益を挙げています。

  • 分割払いやリボ払いの金利や手数料
  • 年会費
  • キャッシング

最もイメージされるのが分割払いやリボ払いの金利や手数料です。
実は分割払いもリボ払いも意外に多くの方が利用しており、ほとんど全てのクレジットカードでこれらの支払い方法に対応し、手数料や金利による利益を出しています。
実際に1万円の買い物をしたとしても10回払いなどかなりの数の分割払いをすればトータルで1万2,000円程度の支払いをしていることがほとんどです。
しかもリボ払いに関しては、長期の返済になればなるほど総額の支払金額が増していきます。
これは、クレジットカード会社にとって大きな利益となります。
自分は使ったことがなくとも、他の会員がこれらのサービスを利用して多くのお金をクレジットカード会社へもたらしているのです。

年会費もクレジットカード会社の収入減になっています。
たしかに最近は年会費無料のカードが増えてきましたが、今もハイブランドのクレジットカードには年会費が存在します。
その金額は大きく、年額10万円を超えるものも珍しくありません。
こういったカードを持つ方は基本的に富裕層が多いため、分割払いやリボ払いを利用することがほとんどないのが事実です。
そのため、年会費という形で利用者から収益を上げているケースも見られます。

クレジットカードを見た際にショッピング枠とキャッシング枠の二つを目にしたことがあるのではないでしょうか。
ショッピング枠は、買い物に使用する金額のことで、クレジットカードの利用といえば、この方法を思いつくのではないでしょうか。
一方で、クレジットカードには消費者金融のようなキャッシング枠も用意されています。
キャッシング枠の金利の平均は15~18%と消費者金融系のキャッシングより低めのも特徴です。
こういった金融業のようなサービスを提供することでも利益を出しているのです。

以上の3つだけでも多くの収益をクレジットカード会社にもたらしてくれており、カード会社各社は会員を日夜増やすことに注力しています。

次に加盟店からも収益を上げています。
むしろ加盟店からの収益が大きいといえるでしょう。

クレジットカードが利用できる店舗は、商品やサービスの決済がされるたびにクレジットカード会社へ手数料を支払っています。
契約方法や取扱金額の規模によりますが、一般的に決済金額の3%~10%をクレジットカード会社へ支払う形です。
決済するたびにそれだけの金額がクレジットカード会社に入ってくるので、その金額は膨大なものになります。
ちなみにこの比率は、日本の比率であり、海外の加盟店への手数料は、この比率をかなり超えるものになっています。
加盟店がこのようにお金を支払ってくれているので、利用者は沢山ポイントをもらうといった恩恵が得られるのです。
ここで気になるのが、なぜ加盟店は貴重な売り上げをそこまで支払ってまでクレジットカード会社の加盟店でいようとするのでしょうか。
次の項目では、なぜ多くのお店がクレジットカード会社の加盟店になろうとするのかについて解説します。

加盟店になることはメリットが大きい

クレジットカードの加盟店になると売り上げの3~10%を支払わなければなりません。
しかし、それだけの金額を支払ってもあまりある次のような魅力があります。

  • 来客が増える
  • 単価が増す
  • 現金管理のストレスが減る

まず、クレジットカードの支払いに対応すると来客が増します。
現代はキャッシュレス化が進んでおり、一人で複数枚のカードを持っているのが当たり前になりました。
しかも、気軽な決済もクレジットカードで済ますことが珍しくなくなってきているのです。
かつては、現金払いでは難しい高額な商品やサービスの購入にのみ利用していましたが、現在では日用品の買い物にもクレジットカードの利用をするようになりました。
また、インバウンドの需要を見越してクレジットカード決済が当たり前の海外からのかんこう客にも対応するようになっています。

クレジットカードで決済をすると、現金が減る感覚が薄れます。
それによって利用者は、より多くの買い物をする傾向がみられるようになりました。
心理的にも沢山のものを買うことに抵抗がなくなってくることから、現金のみの来客よりも客単価が増すとされています。
多少の加盟店料を支払うこと以上に単価が増すというのは、加盟店側にとって大きな魅力なのです。

店舗は現金の出し入れの管理を閉店後に行っています。
この管理は非常に手間取ることも多く、お店のストレスになっていることも少なくありません。
一方で、クレジットカード決済が増えればそのストレスが軽減されることや残業代などの人件費の圧縮にも貢献します。
こういった目に見えないメリットをもたらしてくれることも加盟店が契約を続ける理由なのです。

このように加盟店にとってもクレジットカードの存在は魅力といえます。

クレジットカード会社の仕組みを解説

クレジットカード会社の存在のメリットや魅力を解説したところで、クレジットカードの決済から加盟店への支払いまでの一連のお金の流れを見ていきましょう。
それは次の4ステップです。

  1. 利用者が支払い手続きをする。
  2. カード会社に加盟店から請求が行く
  3. カード会社が利用者から決済費用を徴収
  4. 加盟店へカード会社が支払う

最初に利用者がカードを使って支払いの手続きをします。
ここで加盟店は、カード番号が何番の誰のカードだったかを確認して料金を記録します。
これは、基本的に自動で行われます。

その請求は瞬時にカード会社のシステムへ行き、記録され決済が認証されます。
ここで利用者がカード利用停止手続きをしていると、クレジットカードの不正利用が分かるようになっています。
問題なければ、カード会社から瞬時に決済の承認がおりて決済が完了する仕組みです。

カード会社は、加盟店からの請求を受けて決済費用を利用者から徴収します。
ここで利用者は分割払いや一括払いなどでカード会社に支払いをします。

カード会社は利用者から集めたお金を使って加盟店に支払いをし、加盟店は売り上げを計上することができます。
ここでクレジットカードの一連の決済は完了です。

ここまで非常に長い時間がかかっているように見えますが、実際はクレジットカード会社が一時的に建て替えを行って、クレジットカード会社から加盟店へ支払いをしていることがほとんどです。

こうしてクレジットカードの決済は、迅速に利用者、加盟店にサークレジットカード会社から加盟店には、1ヶ月以上の支払いのズレが生じることもあるのですが、かなり迅速に加盟店に支払っています。

気になるクレジットカードの疑問5選

最後にクレジットカード会社の収益の上げ方以外にも気になる疑問として次の2点について解説しましょう。

  • 偽物のカードを使ってもバレないか
  • なぜ分割の多い支払いやリボ払いだと手数料が発生するのか

偽物のカードを使ったら決済した瞬間にバレるようになっています。
先ほど紹介したように加盟店とクレジットカード会社との間に迅速な通信が行われます。
ここではオーソリゼーション(オーソリ)と呼ばれる認証手続きが進められるのです。
仮に偽物のカードを使用したら、この時点で偽物と判明します。
また、先ほど触れたように盗難されて利用停止になったカードもこのタイミングで分かります。

10回払いやリボ払いだと手数料が発生しますが、その理由は加盟店への支払いを長期にわたってカード会社が建て替えているからです。
カード会社は、加盟店に対して手数料を引いた売上金を一括で振り込んでいます。
そのため、分割払いをしている間、カード会社は建て替えている状態になるのです。
この建て替えの手数料という名目で金利がかかるのです。

まとめ

クレジットカード会社は、加盟店や利用者から様々な手段で収益を上げています。
そのため、大きな売り上げによって会社や充実したサービスを維持することができます。